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CIAのトライアングル
【20】OPERATION GLADIO PAUL L WILLIAMS 著
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浩哉
2024/03/20

読むの時間がかかるわりに、衝撃が増していく作品です。前回は麻薬を資金源にしよう!

って所まで読んでました。


IMG_5605.png

今回はその先2つ。

マフィアとバチカンが出てきます。

いや。それにしてもCIAの手腕には驚かされます。


こういうのを読んでると、昨今のニュースとか見て、独裁者系の指導者がいる国が動乱が起こってるのを見ると、この作品を思い出すようになる気がします。


     〜〜個人的な見どころ〜〜

 ①新たな勢力

麻薬を資金源にしよう!って所までは読みました。

ただ、どうやって売り捌く?

ってなりますよね。


そこでの解決策がなんともワイルドです。

マフィアに任せればええやん!!

です。

実際、シチリア島出身のマフィアにあれこれ援助して、販路をガッチリ確保します。


そのなかで、味方のマフィアがドジって捕まっても上手く釈放させたりします。

露骨です。

で。その資金をどう使うか。

いわゆる資金洗浄をしないといけません。


さあ、どうするか?

なんと、バチカン市国にある銀行を使うんです。

もしかしたら、スイスより秘匿性高そうですよね。


詳しい仕組み書かれていますが、いまいちピンとこなかったとゆーか、なるほど、わからん。だったので割愛。

にしても、バチカンって意表をつきますよね。

CIA、マフィア、バチカン最強の三角関係が整ったわけです。


 ②ヨーロッパ中に跋扈

イタリア、フランス、ビルマ、トルコなど…。

結構、共産主義が幅を利かせていたようです。


特にイタリアなんかは物凄く、少なくとも共産党にあたる組織が、50%以上の支持率を得ているようです。

そんな中、CIAはマフィアを使って組織を作って…。って努力をしていたようです。


意外とヨーロッパ中を駆け回っている印象でした。


 ③手法は変わらず

イタリアでやってる事を見てても、今も似たような事やってるんだなって思う事があります。


シチリアの多分市長?知事?レベルにマフィアの人を立てたり。

イタリアのある港をマフィアの勢力圏にして、麻薬の輸送をやりやすくしたり。

色々工作して選挙で共産主義の人を追いやったり。


一時期、アラブの春とかで独裁政権がえらい目にあってたのも、こういう工作の一環でそれが失敗したのかな?とか思ったりします。



     〜〜まとめ、雑記〜〜

今回のスパイの心得。特に交渉術になるんですが。

バチカンとマフィア。

この相反しそうな勢力を同じ味方につけるセンスがなんか凄いですね。

交渉術って言っても、なるほど、参考にならん!

って感じですけれど。

この勢力が間接的に協力関係にあったのがびっくりして、かつ面白いです。


でも、確かによく考えると、理屈には合うんですよね。


イタリアのマフィア。

実は時の共産主義の政権にわりと追い詰められてて。

機会があれば、立て直したいって思っていたようです。

そこへCIAが話を持ちかけます。

自分たちの得意分野である、麻薬の販路、販売と引き換えに、自分たちの権威を復活すると。


バチカン。

実はバチカンも、共産主義の政権が浸透していくと面白くないです。

宗教を信じない、もしくは少なくとも宗教に重きを置いていない集団ですから。

自らの権威のためにってのもあるので、CIAに協力したんだと思います。


この辺りのセンス。なんか凄いって思いました。

相手が望んでる事を把握して、自分が望むものを手に入れる。なんか理想的な事をしてるなと。


でも、きっと交渉材料に、国の機関としての権力や財力をふんだんに使ったんでしょうけれど。


あと、金だけでなく、なにか権威とか地位とかを大切にする人や団体との交渉はやりやすいのかもしれませんね。


相手が何を望んでるか、何を望ませるか。その辺の誘導、大切かもしれません。

さすがCIAだなと。


とはいえ、自国なのかな。

1947年から1967年にかけて。

ヘロイン中毒者が、2万人から15万人に増えた。

だけれども、ヘロイン売ってる人たちの摘発は一切なし。

とか。


麻薬を捌いたり所持していたりして、迂闊にもCIAの仲間のマフィアのボスが捕まっても、思いっきり適宜をはかったり。

とか。


ジャズのサブカルチャーあたりに主に売り捌いていたようです。シナトラ?のファン周りとかに。

で、CIAの人々って、大体がエリートでして。

麻薬売り捌いても、言い方悪いですが、下層の人々の間で広まるくらいだろうって思っていたようです。

とか。


朝鮮戦争周りを利用して、アジアにも麻薬の販路を広げたりしてます。

で。摘発されたりもするんですが、

中国がやってる。けしからん。

的なデマを流したり。

とか。


なかなか褒められる手段をとってるとは言い難いですね。

で、今読んでるの、まだおそらく16%ほどなんですが、恐らくこれから、こういう仕組みを利用して、いろんな騒動を巻き起こしていくんだなって思います。


麻薬、金で、マフィア、バチカンと手を組み、デマや、武器の横流しや、部隊を作っていろんな工作する。

で。バレたらどっか別の国やら団体やらのせいにする。


そんなわけで、少し話が見えたので、次回はもしかしたら別の本を読むかもしれません。


いや、ほんと、今年の前半。やる事や抱える事が多くて困ってます。

普通であれば、本を読む精神状態ではないのが続いてます。

なんとか、4月の終わりまで踏ん張れれば…。

ではまた。