今週の一位は、時代小説でした。
今回もはじめましての作家さんです。
しかも時代小説。
久しぶりです。
思えば、司馬遼太郎、陳舜臣以来、時代小説は読んでこなかったですね。
このお二方の小説、ほとんど読破すると同時に時代小説とは縁がなかったです。
読むのが楽しみでした。
〜〜個人的な見どころ〜〜
①意外な馴染み深さ。
イメージとして、時代小説は読みにくいってのがありました。
学生時代は、あんなに司馬遼太郎の作品を読み漁ってたのに。
なぜ、そんなイメージがあったかは後で考えるとして。
今回読んでみると全く読みにくくなく、むしろわかりやすいって感じがしました。
ストーリー展開もシンプルで。
変なドロっとさもなく。
清涼感あふれるお話でした。
②金銭感覚。
お金に対する考えというか、生活感がリアルな感じで描かれてました。
リストラに遭った主人公が、妻と赤ちゃん抱えて、どのように生きてきたか。
縁があってたどり着いた長屋。
そこから、どう稼ぎ口を見つけていくのか。
つまりは職探しですね。
その過程が丁寧でリアルに感じました。
③敵と味方
主人公は剣の達人なので、やはりそういう、危険な場所に同行。用心棒のような役割を担う事が多いです。
その中で、斬り合いになる事も多いです。
その際敵役は、やはり徹底的に敵役で。
今のところ、「あなたと闘いたくない」的な展開はないです。
ただ、敵役の1人。一口長屋の所有権の証文みたいなのを持ってて、それを脅しに使うんですが…。
脅しに使わなくても、なんか、奉行所みたいなとこへ持っていきゃいいのに。とは思いました。
なんか事情、読み落としましたかね…。
ま、そこに一口長屋の秘密があるのかもしれません。
次作以降、その謎を解いていくようです。
シリーズ化のようで、そこは楽しみです。
〜〜まとめ、雑記〜〜
時代小説に抵抗を覚える理由。
漢字が多い、地名がわからん、名前が覚えられない、組織や背景がわからん。
僕が浮かんだのは、これくらいでしょうか。
大丈夫です。この作品に関しては、全て問題ないです。読みやすいですし、名前も複雑ではないですし、組織や背景も↓
一口長屋(集合住宅?)の一員になった剣の達人、主人公。
差配っていう、今で言う大家さん。
大家さんの雇用主?の越後屋。
越後屋の、もう一つの裏稼業の金貸し。
その金貸し先の賭博屋とそのライバル。
主人公が通う剣道場。
ここまで理解できれば、大丈夫です。
地名ですが…。わからなくても問題ないです!!僕もついていけてない状態でした。
読みやすいので、ぜひ。
さて。
やっぱり、いくらスマホ全盛の今でも、人が食べて暮らしていくってこんな感じなんだなって見本のように思いました。
正直、これからかなりの人が食べてくだけで精いっぱいになると思うんです。それの参考になる本でもありました。
この物語。主人公が要は失業中で家もないって感じだったんですよね。
そこを人の縁で、家がまず見つかります。
で。大家。差配って言うようですが・・・。
で、差配の人がとにかく世話を焼いてくれてます。
まあ、家賃の収入確保のためってのも大きいかもですが、それにしてもあったかいです。
ほら。就職を世話してやる!!って今の世の中だとなりがちじゃないですか。上から目線と言いますか・・・。
そんな感じじゃなく、多少上から目線ではありますが、親身になって相談している感じが好きでした。
で。主人公の特技をしっかり把握して、それに合う仕事をさがして。
主人公もしっかりと自分の役割を果たし、行動します。
しまいには差配の人の雇用主の越後屋さんからも頼りにされ、大金を手に入れることになります。
まあ、主人公が日本屈指の剣の達人っていうのがありまして・・・。
そこを越後屋の裏稼業のために利用してるという面もありますが・・・。
主人公が金に困る様子がないのもその剣の腕前と、越後屋の下心のなせる業ではあるんですが・・・。
そこが、自分が主人公の立場ならって考えた時に、そんな縁があってもうまく活かしきれないわ。剣の達人じゃないし、って拗ねる気分になりますね。
ただ凡人なりに、何かアピールできる何かは持っておきたいですね。
些細な事でも。例えば運転できる程度でも充分な気もしますし。
で、仮に主人公が剣の達人じゃなくても。
何かその人のむいてる仕事を考えてた気はするんですよ。差配さん。
その辺りの助け合いが出来るかどうか?っていうのが、これから死活問題になるんじゃないかなって何となく思いました。
人との縁ですよね。
大切にしていきたいです。
読んでて思うのが、手を差し伸べる側、差し伸べられる側。両者の品は大事だなと。
差し伸べる方も、断られても何だよ!と思わず、居丈高にならず、
差し伸べられる側も、断る勇気を持って、断るにしても変に卑屈になったり逆ギレせず。
その辺り、心掛けたいです。
僕自身は、周りとの縁も円もそもそも希薄すぎるのが課題です…。
ではまた。