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地球外生命体
【6】知能侵蝕 林譲治著
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浩哉
2024/01/31

なぜか、文章保存してるのが、全て消えてしまってて、いきなりピンチでした。今回はこの作品です。

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203x年の出来事。本当に近未来です。

宇宙人来襲ものでして。

これが1巻だって事に読み終わってからかな?読んでる途中からかな?気づき、戦慄しています。

でも面白かったです。


   ~~個人的な見どころ~~

 ①日本の組織 

日本に何か有事があった時、例えばゴジラが来襲したときに、日本の組織の行動に注目が集まるのが昨今の物語の習慣です。

この作品も、例にもれず、色々やってくれてます。


GPSが狂ったり、デブリや停止衛星があり得ない動きをしていたり。マイクロブラックホールの概念がでてきたり。


宇宙人の存在がわりと明らかになっているのに、組織の人たちは、誰にいつ報告したかって些細な事ばかり気にしています。

で、有事に対応は何もしないのに、不適切な報告をした人に対する懲罰人事は素早いっていう、清々しさすら感じました。

日本の組織は203x年でも健在です!


 ②好戦的?

宇宙人。色んな国の組織がどう対応しようか悩んでるうちに、一般人の方がしっかり巻き込まれます。

宇宙人の宇宙船に迂闊に近づいたからってのもあるでしょうが、いきなりやられちゃいます。

自ら意図して攻撃ってのは今のところなさそうですが、とはいえ、やられそうになるとしっかりやり返すって感じのスタイルのようです。

後述するように、宇宙人には色んなパターンがありますが、どのパターンでしょうか・・・。


それにしても、相手の意図が読めないのに何か攻撃してくるっていうのが、どことなく幽霊に似ているなって思いました。

いや、なんとなく。

SFとホラーは相性がいいかもしれませんね。


 ③意図は?

で、こんなに存在を隠す気もなく、やられたらしっかり反撃し、しまいには自衛隊の一部隊を完璧に壊滅まで追い込んでいる宇宙人。


一般人に関しては、一人を連れ去り、宇宙船に乗せ、ある衛星に着陸し、軟禁状態にしています。


ところが、組織はもちろん軟禁している一般人にすら、宇宙人の方からコンタクトは未だとっていないんです。

コンタクトをとらないのか、人をまるで蠅のように感じていて、コンタクトをとる必要を感じないのか、コンタクトをとりたくてもとれないのか。

その辺りがわからないのが本当に面白いです。

2,3って続いていくにつれ、その辺りは明らかになるんでしょうけど・・・・。

いつでるんでしょ・・・・。


田中芳樹の「アルスラーン戦記」みたいに十年くらいでないっていうのは避けて欲しい所です・・・。


   ~~まとめ、雑記~~

実は、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」(以下、PHMに略します)っていう作品が大好きでして。

僕はあらすじ、ストーリーを全く知らないまま読み始めることが多いんです。

なので、ファーストコンタクトものだとは知らずに読んでました。

地球を救いに行くとばかり思ってたので、件の場面になってたいそう驚いた記憶があります。


その展開の素晴らしさが、僕が一番好きなSFになってる原因でもあります。


今は、きっとファーストコンタクトものだって知れ渡ってると思うので、この驚きがあるうちに読めてよかったって思ってます。


それの少し前に読んだ「三体」の宇宙人論が戦慄すぎて、それでPHMの平和的な展開にホッとしたのもあるのかもしれません。


さて。宇宙人が地球にやってくる、もしくは地球に生命がいると認識する。

するとどういう行動をとるか?


大きく分けて三つあると考えました。


①「三体」タイプ

宇宙は暗闇の森林みたいなもので、姿を現したら速攻で狩られる。

なぜなら、文明の発展度合いは読めなくて、こちらが文明が上のうちにやらないと、こっちがやられるから。というもの。


②「PHM」タイプ

こちら、作品の中で、ファーストコンタクトが個と個だったのもあると思いますが、協力しあい、助け合うというもの。

古くはETとかもそうですかね・・・。


③「幼年期の終わり」タイプ

圧倒的に文明が上で、歯が立たないぞって言うのを見せつけ、緩やかな支配をし、人類の発展を見守るというもの。

こちら、見せつけ、支配、見守る。

範囲は広いですが、①と②の間でしょうか。

この作品がどれに当てはまるのか、楽しみです。

ま、大体の作品は③なんでしょうけれど・・・。

③の中でも、①よりか、②よりかって感じですかね。


   〜〜〜〜〜〜〜〜

さて。日本SFを久しぶりに読みまして。

前回読んだのが、神林長平の「雪風シリーズ」なんですが。

この作品も宇宙人の意図がイマイチ読めなくて、3作ほど読みましたが、未だコンタクトを十分に取れてなかったと思います。

その中での宇宙人とのやりとりが、AIと相まって面白い作品です。


日本SFは、相手とのコンタクトをとることの難しさを存分に味わう作風なのかもって、雪風シリーズとこの知能浸蝕を読んで思いました。

いや。どうなりますかね。


あと、科学が発展すると、SFも発展するかもって所が、実はそうでもないかもっていうのを個人的に思ってて。

例えば、今のSF小説であまり「ワープ」って概念が出てこなくて。

「三体」や「PHM」でも人や宇宙人が光速を超えて移動することはなくて、

なので三体では時間の経過を主人公とともにやりすごすのに、冷凍睡眠の技術を創ってます。

あとは、量子の技術っぽいのを作って、量子に情報を詰め込むといった真似もしています。で、量子もつれだったか、量子の謎の行動で光速をすっとばすって真似をしてます。

ただ、あくまで量子サイズのレベルでして、宇宙人本体は光速の壁を越えてないです(たしか)。


PHMでは、光速を超えられないので、主人公は片道切符で地球を救おうとしています。


やっぱり、ワープっていうのは色々無茶だってわかっちゃったからだと思うんですよね。

わかるからこそ、書けないことが出来るのがSFの面白さのひとつな気もしています。


タイトルや作者を知らず、SF小説を読んで、この時代の話っていうのをやっていけそうだなと思いつつ。


ではまた。