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嫉妬の物語
【91】「オセロー」シェイクスピア 作
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浩哉
2024/11/23

さて、シェイクスピアの4大悲劇もあとオセローとマクベスを残すのみとなりました。

まずはオセローです。


どんな話だろう。

楽しみに読んでみました。

嫉妬の物語のようです。

うん、嫉妬。これは本当に苦しいですね。


〜〜個人的な見どころ〜〜

①設定のシンプルさ

今まで読んだ中ではとにかくシンプルだったかもしれません。

ハムレットもシンプルですが、それをさらにサッパリとした感じです。


いつも登場人物で辟易してしまう事が多い海外作品。特に海外のカタカナ名前、覚えにくいですからね。


その点、今回は覚えときゃよいのが2人。

オセローとイアーゴー。


あとは強いていうなら、デズデモーナ。

オセローの嫁ですね。

あと、イアーゴーの嫁のエミーリア。

不倫を疑われるキャシオー。

計5人でしょうか。


確かに他にも登場人物いますが、最悪2人。

頑張って5人覚えりゃ楽しめます。


②差別があるのかないのか

オセローって、黒人の将軍なんですよね。

僕の中の偏見ですが、当時のヨーロッパ。

しっかり差別が酷いイメージがあって。


ムーア人だったかな。北アフリカ出身の設定なんですよね。

都市はヴェネツィアって設定です。


黒人でも将軍になれたんだなぁって思いました。

差別、なかった?って思ったんですよね。


でも、よく考えりゃ将軍ですからね。

傭兵とかで活躍すりゃ将軍くらいにはなれますね。

意外とこの時代も戦争が多かったようですし。


あと、シェイクスピア当時のヴェネツィア。

東西貿易の重要な拠点で多様な文化が交流する国際都市だったようで。

物語の題材としては理想的な楽しそうな所だったようで。


さすがに、結婚となれば色々差別感情があるようです。

とはいえ、それよりも当時の国際都市っぷりがうかがえて、そちら設定の方が気になって好きでした。


③味方が最大の敵の妙

オセロー将軍はイアーゴーを信頼しています。

完璧な味方って思ってるんですね。


ところがイアーゴーは違います。

何を勘違いしたのか、イアーゴーはオセローに嫁を寝取られたって思い込んでるようなんですね。

理由はよくわかりませんが。

あと、副官にしてもらえなかった恨みもあるようですが、話のテーマ的に前者の理由の方が大きいかなと思ってます。


なので、オセローをめっちゃ恨んでます。


そんななかでの、オセローとデズデモーナの結婚。

デズデモーナは人気者で、誰にも優しい。

彼女に憧れる人は多いようです。


で、ガチに彼女に惚れてるイアーゴーの知人や、イケメン(?)なオセローの副官。

イアーゴーはこれらを利用してオセローを引っ掛けようとします。


「デズデモーナと副官、できてるんちゃう?」と。


オセロー、まんまとそれに引っかかり、嫉妬に狂ってデズデモーナを殺害しちゃいます。


どころが、デズデモーナは浮気してなかった事が判明。

オセローにしてみれば、味方と思ってたイアーゴーにしてやられたんですね。


イアーゴーも。

オセローが嫉妬に狂って奥さん殺って、ザマァって勝利に浸るところですが、イアーゴーの奥さん、エミーリアがそうはさせません。


ポイントとなる、デズデモーナのハンカチを、自分がイアーゴーに渡した事を告白します。

そう。イアーゴーも、味方として利用していた奥さんに最後暴露されます。


それぞれみんな、味方と思ってた存在にしてやられるんです。

それこそ、デズデモーナもですね。

最大の味方の夫にあらぬ疑いをかけられ、やられちゃうんだから。

こう考えると、味方ってなんだ?

っての、改めて考えないとですね。


〜〜まとめ、雑記〜〜

あらすじ

お話がシンプルなので、あっさりめに。


オセローは黒人の将軍で、ヴェネツィア共和国の軍隊を率いています。

彼は、美しい白人女性デズデモーナと恋に落ち、駆け落ち同然で結婚します。


しかし、オセローの副官であるイアーゴーは、彼に対して激しい嫉妬と恨みを抱いており、陰謀を巡らせてオセローを陥れようとします。


まず、デズデモーナと若い士官キャシオーの間に不倫の疑いがあるとオセローに信じ込ませるため、色々と巧妙な罠を仕掛けます。


イアーゴーは、デズデモーナが落としたハンカチをエミーリアから受け取り、それを上手くキャシオーに渡し、オセローにそれを見せつけて嫉妬心を煽ります。


イアーゴーの策略によって、オセローはデズデモーナが不倫していると信じ込むようになり、激しい嫉妬に取り憑かれます。


彼は次第に理性を失い、最愛の妻デズデモーナへの愛情が憎しみへと変わっていきます。オセローはデズデモーナを問い詰めますが、彼女は無実を訴え続けます。


嫉妬に狂ったオセローは、ついにデズデモーナを殺してしまいます。

しかし、その後すぐにイアーゴーの策略だったことが明らかになり、オセローは自分の過ちに気づき、深い後悔と絶望に襲われます。


最終的にオセローは自ら命を絶つという、悲劇的な結末を迎えます。


まあこんな感じで。


この作品。あらすじがシンプルな分、心理描写が凄いです。

イアーゴーの策略は、まあ稚拙ですがね。

やっぱり嫉妬って、稚拙なのがかえって効くのかな。

オセローの心が病んでいく過程が凄いです。


嫉妬。

どんな理性的な人でもアカンようになりますよね。

僕も若いころは職場で好きな人が出来ちゃったりすると、

正直、仕事、出来なくなっちゃいましたからね・・・。

若かった・・・。


では、また。