進化心理学の入門のような本です。
この本を読んで、僕が好きな作家である、
ナジーム・ニコラス・タレブや、マット・リドリー。
彼らがこういう「進化系」にどっぷりと影響受けてるのがわかりました。
少なくとも、僕が彼らの本を読んで面白いと思う部分には、間違いなく進化系のお話があるんです。
今年最後の自分的に一番の発見でした。
①進化という言葉
進化論で使われる「進化」。
特にダーウィンの説の「進化」は、一般で使われているものとは少しニュアンスが違います。
どちらかといえば、偶然、生き残った変化です。
しかも、それを自然が選択してきた感じです。
我々に選択肢はなく、生物が変化していって、それが偶然、今の自然に適応しているから、人類は今も幸い生き延びてます!
といったイメージです。
これを、人間が自然に適応してきたって、なまじ文明を発展させてきたから思うところではあるんですが、どちらかといえば逆!
ってのが、進化論的な考え方です。
うん。わかりにくいですよね。わかります。
②数字のトリック
よく、チンパンジーの人間の遺伝子はほぼ同じ。
98%は同じ!という説を聞きます。
実際、同じなようです。
ところが、人間には60億の塩基配列ってのがあります。
そのうちの一つでも違うと、身体が大きくなったり、小さくなったり、機能が全く違ったりするようです。
それが、一つどころか、2%。1億2千万個。ここまで違うと、やっぱり別すぎる生き物ってなります。
ちなみに特にチンパンジーとは社会性が違いすぎるらしいです。
③あらゆる欠点は当たり前
そんなわけで、これはもう、よくいわれてる事ですが、人類は、600万年は狩猟でやってきたといわれています。
農耕革命が起こったのが、やっと1万年前頃。
産業革命で300年前くらい。
基本、人類は狩猟でやってきたし、最近の革命にまだ身体は適応できていません。
一万年前に始まった農耕革命にもあまりついてこれてなくて、産業革命なんて、始まったばかりすぎます。
適応するのには、そりゃ、おそらく何万年、何十万年もかかると思われます。
なので、現代病や、悩み。
そのほとんどは、これらのギャップからくるものだ!ってのが本書のテーマですね。
よくいわれるのが、食べすぎるのは、飢餓に備えるための本能ってやつですよね。
狩猟時代は、食べ物がうまく調達できない事もザラだったので、つい食べすぎちゃうってやつ。
これが、実はいろんなことに当てはまるってのが面白いです。
フェイクニュースに引っかかりやすいのも、ニートになっちゃうのも、承認欲求が抑えられないのも。
痛風で苦しいのもこれなんです!!
自由を上手く使いこなせないのも、仕事や勉強が楽しくないのもマウントとるのも。
いや、大体の物事はこれのせいなんですね!
この分野。深く追求すればするほど面白いです。
とはいえ、役に立つかといわれれば、そこは謎。
先ほども書いたように、大体の現代病や悩みはこれのせい!!っめお話は面白いです。
なるほどと。なぜ、このせいか?って論理の持っていき方も納得させられることが多いんですが。
それを解決となると難しいんですね。
例えば、シンプルに甘いものを食べすぎるのは、狩猟時代からの名残。
これは、前から有名ですよね。
要はこういうのが、あらゆる分野に派生するんですが。
そこで問題になるのがで?解決策は?ですよね。
今は、日本でも貧困で食べられなくなる人が恐ろしいほど増えてるのでアレですが、そこは忘れて、
基本的に今は食べ物には困らない。
なので、食べ過ぎなくても大丈夫!
っていわれてもね。
それ、いわれた程度で食い過ぎ、肥満が治るなら誰も苦労しないわけで。
そういう、わかってるけど…。だって本能なんでしょ?
ってのが多いんです。
それでも、これも狩猟時代の名残かぁ。
ってのも多く、示される今の時代での解決策で、有効なのも多いし、実際、原因がわかれば心は軽くなるので、一読をお勧めします。
知ってるよ!ってことばかりなので、一見、流し読みしてしまいますが、1ページずつ丁寧に読むと、色々発見や想像が膨らむタイプの本かなと思ってます。
個人的には、これから進化〇〇。ってタイプの本を読み漁っていこうと思いました。
役に立つかどうか?
上手く伝えられるかどうか?
ただ、好奇心は常に満足させてくれる分野です。
タレブやリドリーが好きなんですが、それでも魅力を伝えるのが難しい点で、なんていうか、この本。ってか、進化論と同じですね。
好奇心は満足すること間違いなしですが、人に伝えるのに、すごく言葉を選ばなきゃならない。
下手すりゃ真逆の誤解を与えるかもだし、自分も誤解してるかもしれないって注意点が常にある進化論。
ほんと、直感と逆なことが多くて、そこが面白いんですが、それゆえに伝えるのが難しい。
うん。それでも今日からこちらにどっぷり浸かろうと決めました 笑。
では、また。