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女性が自分の事を名前で呼ぶ人が多い理由
【3】「聞く力」阿川佐和子 著 1月14日。新宿の本屋さんにて一位。
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浩哉
2024/01/20

1月14日。またも鬼太郎が一位でした。

実は先週も鬼太郎が一位でして。

これはnoteに書いてたんです。


IMG_5417.jpeg


なので、新書に目をつけて。

「話す力」阿川佐和子著

を読みます。

IMG_5429.png

写真は撮りましたが、本は買えず。

新書にしようと決めるまで迷いましたので、Kindleで購入しました。


一位の本を選んでいくと、全く縁がない方の本になる事がありますね。

阿川佐和子。名前は知ってますし、きっとテレビで見た事ありますし、父上の阿川弘之も名前は知っています。

ところが両者とも作品は一冊も読んだことがないです。楽しみですね。


   〜〜個人的な見どころ〜〜

 ①軽妙で品のある文章

文章が柔らかいです。

読者が何歳かによらず、きっとひと回りほど歳上の女性が語りかけてくるような感覚を覚えます。

少しの昭和風味があります。


思いっきり口語って感じの文章なのに一つ一つの言葉つかいが丁寧で隙がない感じ。でもふんわりしてる。


昔ながらのオヤジ下ネタってのを書かれていて、内容を吟味すると、下世話なよくあるうわってネタなんですが。

なんか、ふわっと雲に浮いたような感覚で笑いを誘います。

いくら読んでも疲れさせない文章でした。



 ②色んな方とのエピソード

父親が作家だったり、自身はテレビにも出てたり、雑誌でインタビューするような仕事もしてるからでしょうか。

すげー顔が広いお方です。


色んな方との色んなエピソードが多くて、どれもすごく面白いです。


作者の年齢的な事もあるのか、昭和を代表する方とのエピソードは多いです。

とはいえ、幅広い。

意外な名前が出てきます。

「誰かに何度も同じ話してしまう問題」について、それはしょうがないやんな!って話をしている時のエピソード↓本文


作家の吉行淳之介さんがおっしゃっていたのです。 「人の話を勝手に書いたら盗作と言われるかもしれないけど、自分の話ぐらい盗作させてもらいたいよ。一人の人間が、そんなに面白いエピソードをたくさん持ってるわけじゃないんだから」


おおう。吉行淳之介って…。

こういうのが多々あり、読んでてワクワクしてました。


 ③話す力?

タイトルは話す力で、目次を見れば、なるほどって思うラインナップです。

ですが、読んでいくと阿川佐和子のエッセイって感じがして、タイトルを忘れてしまいます。

読んでる途中で、ああ、話す力ってタイトルだったなって思い出す感じで。

文章が口語っぽいのもありまして、作者の話す力がハンパないなってのを思い知らされる本でした。


    〜〜まとめ、雑記〜〜

個人的には、話す力ってタイトルだけど、作者が考える「話す力」と、読者が考える「話す力」が乖離してる所がとにかく面白いです。

読者が考える「話す力」多分、話し下手というか、そもそも話せない!って人のための本だって思うと思うんです。僕だけかもですが。

例えば、1人外食する時。本文↓


テーブルやカウンターに一人で座って、黙って一人で食事をすると、余計な自意識が働くのでしょう。周囲から見られているのではないかと気になって顔を上げにくくなったり、料理を待つ間、どう暇をつぶしたらいいかわからなくなったり、


うん。ここまでは全く同意です。

で、その後、作者が心がけ、実行したことが↓


店の人に案内されて席に着くと、メニューに目を落としたり、内装に視線を向けたりして、暇そうなスタッフと目が合えば、話しかけてみます。


で、店いつオープンしたのだとか、飾ってる絵、面白いですねとか言ったりするようです。

…。なんか少なくとも僕とは積んでるエンジンがちがうなってなりました。


そんな感じで。タイトルに偽りというか、

一気に読むと、

「あれ?阿川佐和子が語りたいだけの本やん」

って思われがちな気もしますが、

もちろんそれだけではないのが一位たる所以でしょうか。

しっかりためになるお話もされてます。


一番へぇって思ったのが、

日本語の一人称が、相手によって決まるってお話。

話す相手が、我が子だったらパパやお父さん。

上司だったら私。

友達だったら俺。

親戚の子供に話しかけるならおじさん。


…。そういやそうだなって。


ただ、女性の場合、バリエーションが少ないと。

で、作者はハンディキャップがある!ってまとめられてました。


うん。だから女性は自分のことを、自分の名前で呼んだりしてるのかな?って個人的に思いました。

男がそれをあまりしないのは、既にバリエーションがあるからなのかなって。

なんか、謎が解けた気分でした。


あとは、井上ひさしとのお話の中で、ユーモアの話になった時の彼のセリフ。

「日本人は四畳半のユーモアは得意だけど、大会場だとユーモアを発揮できない」

っていうのも面白かったです。

日本人はスピーチ下手。

これはほぼ全国民が感じてることだと思います。

こんなわかってることでも、こういう言葉のチョイスがあるのかぁって思いました。

この本はこういう言葉の宝庫でもありました。


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さて。世間では直木賞、芥川賞が話題で、AIが文章を!ってのがニュースになってるようです。

僕は本好きで、活字好きですが、取り立ててそういった賞に前のめりで興味があるわけじゃないです。


本は「知的好奇心を満足させてくれるもの」の筆頭として好きでして。

なので、形式は本じゃなくても、メルマガやニュースレターにも興味があるんです。


お金がなくていちいち買えないのを僻んでるわけではございません!!

もちろん、お金と時間あれば買って読みますがね。



では。また。