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秀吉 その1
【77】「新史 太閤記 上」司馬遼太郎 作
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浩哉
2024/10/05

秀吉についての本です。


中部地方が生んだ、戦国時代を終わらせた3人の英雄。

信長、秀吉、家康。

この3人の中で誰が一番好きか?

って言われりゃ、僕は信長が好きでした。


「漫画 日本の歴史」の中で、信長がカッコよく描かれていたからかもしれません。

彼を主役にした漫画も多いですからね。


最近、ある本を読んで、秀吉がキリスト教の人たち。

いわるゆイエスズ会ですね。彼らの侵略が想像上に激しかったようで。

日本人のある種の層を奴隷として輸出されたりしてるのを見て、キリスト教を禁止したりする過程の中ですね。

日本は強いというの証明するために朝鮮へ攻めたのではないか?的なお話を聞いたりしました。


そういったお話を聞いたりして、自分の中での秀吉のイメージについて改めて勉強しようと思い立って、この本を読み始めました。


〜〜個人的な見どころ〜〜

①秀吉の本質 

秀吉の本質は、やっぱり商人というところ。

これは、師匠の信長もそうですし、信長の師匠の道三もそうですよね。

だから、きっと土地柄のようなものだと思います。


ベースに取引、商人的な発想があるので、新しいシステム。変化に強いシステムを容易に作れたり、動きが素早かったりするんでしょうね。


まず秀吉と言えば、そういった商人的発想。

特に秀吉は何者でもなかったり、地位が低いので、生き抜くために必死で商いをして食いつないでいたようですので、そういった考えが信長や道三よりも身に染みていたと思います。


②試行錯誤の連続

秀吉の本質その2なんですけど、とにかく試行錯誤をたくさんしています。


いろいろ手立てを考えてはすぐ行動し、すぐ失敗したりして、その原因を考えて、すぐまた行動してって事を繰り返してます。

今で言うところのPCDAサイクルっていうやつでしょうかね。


まぁこれはあくまで司馬遼太郎の作品の中でのお話なんですけれども、いくら身分が低くても、身分が低いからこそ、取り返しがつかないミスもかなりやっています。


要は誰かの奴隷として(言い方は良くないんですが)お寺に使えて働くんですけれども、その寺が自分に合わないと判断したら、なんとしてでも抜け出ようとします。

その条件が命に関わる100叩きであっても抜け出ます。


その辺も含めてとにかく行動が素早いし、試行錯誤が凄まじい。


普通なら、まわりの合わない会社に入ったとしても、ある程度金もらってるので、何年かちょっといちゃったりするもんですが、それをしない。

その辺の行動力の凄さは目をみはるものがあります。


③明るさと向上心と運

なぜそんな行動力があるのか?

秀吉自身の特性なんですけれども、

とにかく明るい。

楽天家とかポジティブ思考とかとは何か少し違うんです。

作られた明るさかもしれないんだけれども、それをこの人が自分自身のものにしている感じがあります。


次に向上心です。

この向上心がとにかく強いです。

特に秀吉の場合は身分が低かったので、例えば先ほどの、割の合わない寺に働かされてるくだりでも、向上心がなければやっぱりそこで満足すると思うんです。

ところが彼は満足しません。満足と言う価値観が人とは違うのでしょうか?


とにかく、常によりよく努力するといった形で行動を起こしています。

最初から天下を取るとこまで考えてなかったと思うんですけれども、ただある場所にいても、そこからまた少しでもより良い自分、より良い待遇を目指して頑張っていくその向上心が凄まじいです。


運の良さ。

秀吉はおべっか使いで有名なんですけれども、(僕もそれが原因で、彼がなんとなく嫌いなんですけれども)

そこはやっぱり戦国時代、おべっかだけで渡れるほど、世の中は甘くない時代です。


彼は命をかけるべきところでは、きっちり命をかけています。それこそ信長に使えるのはそれだけで命がけだったりしますしね。


そこできっちり生き残る。

その運の良さが天下者にしたんだなと思います。


この時代の人は才能がもちろん必要だけれども、やっぱり運の良さをかなり重要視していたようです。


〜〜まとめ、雑記〜〜

この作品を読んでると、秀吉は海外の起業家に似てるなと思いました。

昔、子供の頃に読んでたら出てこなかった発想ですね。


・ベースに商人的発想がある。

・子供時代に商業。お金を稼ぐ事をしている。

・いろんな事をしては失敗の繰り返し。

・全くめげずに失敗を繰り返す。

・夢を大きく持ち、とどまることをしない。

・底抜けに明るい。

・運がいい。

なんか、特徴だけ捉えていくと、ベゾスやイーロンマスクが連想ででてきます。


司馬遼太郎のこの作品が書かれた時代、ネットはもちろん、携帯電話なんて、影も形も無かった時代です。

それなのに、彼らが浮かぶ。


おそらく、どんな時代のどんな立場でも成功するってのはこういう人ってのを示した作品なのかなと。


秀吉は、特に武将としての体躯に恵まれてるわけじゃないです。

権力にも恵まれてない。

そこから天下を取るまでに至るのは尋常じゃないですよね。


ともあれ、成功するための最低条件が詰まってて面白いなと思いました。


秀吉は調略、根回しが得意ってのも面白いですね。

これも、パッとみると、嫌われる要因ですが、やっぱり天下を取るのに、あるいは成功するのに必須の能力なんですね。


今で置き換えると、営業とか、お金を融資してもらうための書類作りや交渉のうまさでしょうか。


まさか秀吉のお話を読んで、現在のアメリカの起業家が浮かぶとは思いませんでした。

まだ上巻。

下巻も楽しみです。


では、また。