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ほっこり
【26】純喫茶トルンカ 八木沢里志 作
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浩哉
2024/04/10

息抜きに読んだ本です。

これから少しの間、難しい本を読み続けることになりそうです。

今読んでる本がウンベルトエーコ作品で、やっぱり昔の著名な作家だったりするので、話が難しくて硬くて読むのに時間がかかります。

英語の本も読んだりしてて、乱読モードです。


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そんな時に出会ったのがこの作品。

表紙タイトルの雰囲気そのままの良書でした。


〜〜個人的な見どころ〜〜


①1作目「日曜日のバレリーナ」

ストーリー。

「純喫茶トルンカで働くアルバイトの大学生が主人公。

世の中を斜に構えてみる癖のある男の子です。

3ヶ月前に彼女に振られ、未練タラタラ落ち込んでいたある日、店にある女性のお客さんがやってきます。

その女性、主人公の手を握り、前世で恋人同士だったと目に涙を浮かべて真剣に訴えます。

もちろん、男の子はなんやこいつ…。って思います。

そんな出会いとは言え、2人でお話ししていくうちに打ち解けます。

その後、2人はそれぞれ秘密があり…」


っていうお話です。


ネタバレを承知で言うと、「殺した夫が帰ってきました」と言う作品のような感じで、突拍子もない出会いって言うのではなく、周到に用意された出会いだったって言う作品です。


意外と人は自分のことばっかり考えてるのではなくて、少しは他の人のことも考えている。

といった事でしょうか。特に親ともなると。


ただそれが、自分の直接の利益にならなかったりするし、恩恵が見えなかったりするから、気づかないだけで。


実際に、気持ちはずっと伝わらなかったり、誤解したまま終わるってこともあるんだろうけれど。

やっぱり人のためを思って動く事は大切だっていうの感じさせられました。


②2作目「再会の街」

ストーリー

「手術をしないと半年もたないと言われる。心臓の疾患を持った男が主人公。喫茶トルンカに姿を現します。

いつも同じような席に座り、しばらくコーヒーを飲んでから帰っていきます。

純喫茶トルンカになる前、そこは別の喫茶店でして、男はそこの常連でした。

色々あり、30年ぶりに戻ってきた主人公。

それは元カノの娘に会うためでした。

無事に娘とも話せて、喫茶店にもなじみ、居心地の良さを感じますが、生来の頑固さと不器用さで、その場を離れようとします。

そもそも病気であと半年持たないし、手術しても成功率が6割くらい。助かる可能性も低いと。

黙ってその場を離れようとするが…」


この作品。郷愁ものですかね。

主人公は元カノのその後を理解して、受け入れながらも、やはりその娘に会いに行きます。


喫茶店の雰囲気もあり、ハプニングもあって、無事に娘と交流を持てます。


どんなに不器用な人間で、不器用に生きていても、やっぱり帰る場所であったり覚えていてくれる場所があるのは素晴らしいことですね。


どんなに孤独に生きていても、どこかで人とのつながりっていうのは発生しているのかなと。


実際の現実問題はどうなのかと言う話はあります。

喫茶店ではなく、例えばガストとかに行ったりする人にとっては、もうロボットが運んだりロボットが会計したりするから人との繋がりもなにもないですからね。


その辺りに喫茶店の存在の意義、大切なことを示唆してるような気がします。

その後が知りたい作品でした。


③3作目「恋の雫」

ストーリー

「純喫茶と文化のマスターの娘の名前が雫といいます。

コーヒーを入れるときの1滴、1滴の凝縮する時の雫が名前の由来とか。

で、やっぱりマスター一家にもいろいろあります。

長女が、おそらく白血病なのか何なのかで、17歳にして夭折しちゃいます。

そのことがあり、母親も海外の地で療養しております。

その長女が、生前に唯一付き合っていた男性とばったり出会います。

そこから雫はいつもと違う自分の心境に気づき、おそらく恋であろうということで、明るい彼女は迷走していきます」


この作品も好きです。

自分のことしか見えなくなって、周りが見えなくなった雫と言う女の子。


様子がおかしいなと思いながらも、みんな暖かく見守ります。ただそれが行き過ぎた感じになりますと、周りが優しく諫めます。


熱心に思いを打ち明けられた方もしっかりと真摯に答えれば、悲しみは残りますが、後悔は残らない。

真摯な気持ちのやりとりが気持ちよかった作品でした。


〜〜まとめ、雑記〜〜

この作品で学ぶこと、実行することは、「人とは真摯に接する」ってところですかね。

この先、テクノロジーが発達すると、人と話すよりAIと話す方が気持ちがいいってなりそうですが。


それでもやっぱり人と接することはしばらく無くなりそうではないですからね。


その辺りのお手本としても、この作品を読む価値があると思います。


そんなこんなで純喫茶って喫茶店とどう違うんや?なことを調べてみました。

Geminiに聞きました。

「純喫茶と喫茶店は似ていますが、いくつかの違いがあります。

1. アルコールの提供

* 純喫茶:お酒を提供しない

* 喫茶店:お酒を提供する場合がある

2. フードメニュー

* 純喫茶:軽食のみ

* 喫茶店:食事メニューなども提供する場合がある

3. 雰囲気

* 純喫茶:レトロな雰囲気、BGMはジャズが多い

* 喫茶店:様々な雰囲気があり、BGMも様々

4. 歴史

* 純喫茶:昭和初期に、コーヒーを楽しむための場所として生まれた

* 喫茶店:純喫茶よりも歴史が古く、様々な形態がある

これらの違いから、純喫茶は「純粋にコーヒーを楽しむための場所」と言えるでしょう。

他にも、純喫茶はカウンター席が多い、マスターがいる、などの特徴があります。

純喫茶は、昭和のレトロな雰囲気が好きな方、こだわりのコーヒーを楽しみたい方におすすめです」


なるほど、確かにマスターはコーヒーにこだわっているし、コーヒーの味は登場人物全員が太鼓判を押す形になっていますしね。


安心して小説が読めるのも、こういったレトロな雰囲気で落ち着く舞台があるからなんでしょうね。


今、喫茶店で本を読むと言うのはなかなかハードルが高い感じがしてまして、それだってスターバックスとかドトールで読めよってなりますからね。


純喫茶といえば、元カノと言った沖縄の喫茶店のことを思い出しました。

場所を名前も忘れましたが、元カノのお気に入りの喫茶店だったとのこと。確かにこの作品のような感じでして。

カウンターの席と少数のテーブル席。

味のあるマスター。

作品と違うのは、マスターがまぁよく話しかけてきます。勝手に話すだけ話し込んできて、飽きたら勝手に離れていくと言うマスター無双のスタイルでした。

それでもなんか雰囲気が、いいところだなと思った記憶があります。


今度、勇気を出して、1人で喫茶店行って、ゆっくりコーヒー飲みながら読書でもしてみようかなと思います。


続編まだ残りもあるようなので、飲んでみたいなと思いました。


ではまた。