読み終わりました。
今まで、僕の発想になかった考え方を発見出来ました。
役立つように持っていけるのかな。
持っていければかなり役に立つ作品です。
面白かったです。
(ちなみに、個人的に株とか投機とか良くわかってないです)
利益と損失≠善と悪。
まず、これを叩き込む必要があります。
これを混同するのが果てなき失敗の根源になります。
利益や損失。特に注意が必要なのは損失です。
これには、外部損失と、内部損失があります。
外部損失は、客観的な事実。
例えば、スポーツの試合に負けた!って事実。
内部損失は主観的なもの。個人的に感じるもの。
外部損失は、受け入れなければならないものです。これはただの事実に過ぎません。たとえば、チームが負けたという事実は変えようがありません。この事実に対して、自分を責め続けるとおかしなことになってしまいます。
負け、つまり外部損失を、間違い、悪いこと、失敗といった個人の損失、つまり主観的な内部損失に置き換えてしまうことが失敗の原因となります。
損失はもともと計算されたりするものです。たとえば、ダンボール一杯のみかんの中にいくつか腐ったものがあることは、避けられないことです。これについて、自分が悪いとは考えませんよね。
このように、冷静に受け止めるべきものなのです。そうしないと、非常に辛くなってしまいます。
事実と意見の微妙な違いを理解することが重要です。よく言われる「これってあなたの感想ですよね!」って状況をしっかり見極めることが大切です。
これが意思決定にも当てはまります。
意思決定の結果、どうなったか?
そこに、損した。得した。って事実があるだけです。
その結果、損することによって、自分が間違っているってなるのは違います。
自分を責めてしまう内部損失の過程は、
末期患者が、自分の病気を知った後に経験する
5つの段階と同じ道をたどります。
(この発想が面白いです。少しサイコパスな気もしますが)
末期患者=もうすぐ亡くなってしまうという事実。
これ以上ない、一番悲劇的な外部損失です。
否認、怒り、祈り、鬱、受容。
この過程をたどります。
最終的に受容。
受け入れるしかないんですが、
その過程の心の動きがとにかく苦しいものです。
その苦しみが、投資や投機とかギャンブルとかでズルズル行ってしまう原因になります。
それぞれ、解説していきます。
1・否認
外部損失。客観的な事実を、認めたくなくて、冷静に計算できなくなり、自分の見たいものしか見なくなります。
例えば、最近、何らかの原因で持株が下落し、円建て資産が減ってるって悲鳴なポストを良く見かけます。
その時に、大多数の人が下落といっても致命的ではないでしょうし、株価が下落しても、まだこんなに資産持ってるんだぜ的な自虐風自慢する余裕がある人なんでしょう。
ただ、これが致命的と思い込んでしまうと違います。
株価の下落を認めたくなくて、パニックになってしまいます。そして、この株価の下落は一時的なものだ!って根拠のないXのポストにいいねをしまくって、冷静に状況を分析できなくなります。
ま、ほんとに一時的なものだったりして、株価が上がる場合もあったりするのがややこしいところなんでしょうけれども。
2・怒り
否定の段階が維持できなくなると、怒って当たり散らします。
実は僕は株には詳しくなくて、株価暴落で、上昇する見込みがない状態確定!!って状況がわかりませんが…。
その会社が倒産する!!って事でいいんですかね?
ま、そうなるとやっぱり最初はキレ散らかしますよね。
そのニュースを見た媒体。スマホならスマホを叩きつけて、秒で後悔して家の何もかもを投げつけるかもしれません。
3・祈り
そして、もし株価が復活するならどんな事でもする!!
お願い、神様!!何とかして!!
って心境になります。
これ…。本当に身近にありまして。
知人の弟が若くして脳腫瘍で亡くなったんですが…。
余命宣告を受けた時、その弟自身は、聞いた限りでは早いうちに受け入れていたかもしれません。
実際のところはいろんな葛藤があったんでしょうけれど…。
ただ、彼のご両親はこの段階になり、良くわからないお守りですとか、祈祷師とかにかなりのお金をつぎ込んだそうです…。
やるせない気持ちになりました。
そうでなくても、株価の暴落で苦しんでる人が、「株価が大暴落して倒産しても損しない方法」
って形の商材が何万円かで売られてたら買う人が現れるでしょうね。
その結論が、「働け!」とか、「あきらめろ」とかならいいですが、さらにお金を出させるシステムになってたとしたら、傷がどんどん広がりますよね。
4・鬱
複雑な精神障害。
今まで頭の中でのパニックだったのが、身体にも影響が出てきてしまいます。
悲しみに暮れ、食欲、睡眠の障害。
集中力が欠如して、どんなアドバイスも耳に入らなくなります。
この状態。
もはや生き地獄ですよね。
寝ても覚めてもこの事ばかりが脳をよぎり、普段の生活ができなくなります。
悪循環の極致。
ここまでなる前に、「受け入れる」所まで行く事ができればいいですが、できないとまた1〜3までをぐるぐる繰り返してしまい、鬱を悪化させる事になってしまいます。
5・受け入れ
あきらめとともに、避けられない事を受け入れる状態。
株価などの場合には、他の勢力によって、あきらめさせられることもあるようです。
もうやめろ!って手を引かされたりして。
ただ、1〜5までの段階で、どの状態でも、受け入れの状態になった時でさえ、いや、だからこそ人々は「希望」に最大の信頼を示します。
末期患者の場合も、新しい治療法を示す医者に最大の信頼をおくようです。
こちらは、精神の健康のため、多少は必要というか、仕方ない事かと思います。
ただ、株とかの場合、希望=自分の都合のいい情報だけを見ることに繋がり、1の状態へ逆戻りする可能性があります。
末期患者の場合、不謹慎ですが、やはり「終わり」が現実として近づいているので、5の段階にいきやすいです。
株とかの場合、「終わりがない」んです。
これが本当にタチが悪い。
バスケでの試合でも、終わりがあり、結果は絶対変わらないので、バスケの試合の結果で自分を責めたとしても、受け入れて、練習がんばる!ってなりやすいですが、
終わりがないんですよ。市場って。
終わりがないので、損失がより内部化されやすいです。
「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」
ってのは、終了が明確にある場合には有効ですが、
終了がない場合には、
「あきらめろ。試合終了だ!」
っていうマインドが絶対必要になります。
そのマインドにどう近づくか?
来週書いていこうと思います。
では、また。