痛風になってまして。
痛さは耐えられるレベルですが、地味に痛いが続いています。
おかげで、初参加予定の文学フリマもいけず、かといって、子供もいるのでゆっくりできず、ストレスフルです。とはいえ、いくつかお笑いのYouTubeとかみてて面白かったので、再びお笑い見ていくのもありかなって日々でした。
さて。
個人的に今年読んだ中で、エンターテイメント部門というのがあれば、それのトップでした。
もともと、Xで自分と本の感想が似ているなって人が、今年1番!って評価をつけていたので、ちょっと気になっていました。
お金がないんですけれどもも、これぐらいは贅沢してもいいだろうってね。
何よりも文庫判だったのが嬉しいです。これがハードカバーだったら、いつか読もうってなって、ずっとそのまま忘ていたかもしれません。そういう意味だと、運が良かったなぁって思います。
①イカゲームのサムライ版
ストーリーはシンプルです。
イカゲーム。ですね。
腕に覚えのある人。主に元武士を集めて、殺し合いをさせて、生き残って賞金を10万円ゲットしてくれって話です。
10万円。今の価値で言うといくらぐらいなんでしょうね。1億円位なんでしょうか?
1人だけそのお金がもらえるやつです。
ストーリーとしては京都から順繰りに席を抜けて行って、東京まで進んでいってもらう。
とりあえず、東京にいけるのはわずか9人!
ちなみに参加者が292人だったかな。それくらい。
1人1点を持っていて関所につくたびに何点かを集めとかないといけないと言ったルール
集めないといけないので、必然的に相手から点数を奪わないといけない。
脱落するとどうなるかっていうのは明らかに言ってないんですが、やはり脱落すると、基本、殺害されちゃうようです。
主人公は古くから伝わるある剣術の使い手。
他に6人の兄弟弟子がいます。
剣術の奥義が7個あって、正統な後継者を決める段になって、イカゲームと同じように、最後の1人になるまで殺し合わないといけない。
それが嫌で主人公は脱走して生き延びてきました。
主人公はなんやかんや結婚して、子供も生まれて幸せに過ごしています。ただ、妻子が流行病にかかってそれを直すためにお金が必要ということでこのイカゲームに参加します。
他の参加者もお金が必要だったり、理由も色々あって、読みどころの1つになっています。
②テンポの良さ
読んでいて、とにかくテンポがいいです。
特に今の時代背景もいいです。
もしこの作品、イカゲームというのが流行っていなかったら、ルールの時点であーじゃないか?こうじゃないか?って無駄な思考の時間費やして、ちょっと読むのが遅くなったりします。
この場合は?って感じで、読み返したりする必要もあったかもしれないんですけれども、イカゲームが流行ったおかげで、おおまかなルールも一瞬で感覚的に理解できますし、とにかく話がサクサク進んでいく感じがします。
あと、こういう話、黒幕はなかなか勿体ぶって明かされない事が多いんですが、この作品。
わりとあっさり黒幕が出てきます。
かといって、謎なところ。東京で9人そろったら、そこで何が行われるか?は未だ謎のままです。
なので、一気に読んで1冊読み終えても、物語全体としてまだまだ進んでなかったりして、これが面白いです。
とにかくテンポが良くて、中毒性が高いです。
③悲しみ
時代、背景設定がとにかくいいです。
侍たちの時代が終わる、まさにその時。
武士の最後の咆哮ともいえる、西南戦争。
それが終わってすぐのお話ですからね。
ほんとに僅かに残るのみの侍。元武士たち。
時代が変わり、他の生き方をしようとしても上手くいかないですからね。
武士の商法って言葉もあったようです。
上手くいかないことの意味に使われてたようですね。
そういった時代背景でです。
そんななか、腕に覚えあるやつはこい!
10万あげるから!
今でいう、1億か10億。
そりゃ行きますよね。
で、殺し合いを示唆されても、
引く人は引きますが、そこまで引かないと。
それこそ、死に場所を探すってところもあったようですからね。
武士の最後の花火みたいなもので。
悲しいですが、かっこいい感じ。
そんなわけで。エンタメの全てが詰まってるような作品です。
イカゲームのような、バトルロワイヤル。
1人だけが賞金をゲットできる!って形式もそうですし、
主人公の剣術の7つの奥義も、それぞれ特徴的です。
聴覚が凄かったり、防御が凄かったり、フットワークが凄かったり、攻撃力が凄かったり、界王拳みたいな技とかあったり。
それぞれピンときやすいんですね。読んでて。
色んなバラエティ、アニメ、ゲームが混ざり合った感じでしょうか。
時代背景は、るろうに剣心だし、でてくる侍たちも、イメージしやすいんですよね。
このマンガのあのキャラっぽいな!
ってなったり。
ただ、異世界ものは入ってないですね。
この作品。歴史上の侍が出てくるのかな?って一瞬思ったんですね。
前評判が良かったので、夢の対決とかあるのかな?って。
例えば、塚原卜伝vs宮本武蔵とか。
そんな期待してたんですが、そーゆーのはなかったです。
ただ、死んでたはずの侍が1人、生きてたってのはありますけれどね。
侍で実在の人物は、今のところ、その人だけ。
それでもこんなに楽しめるのは、やっぱりすごいです。
問題は、まだ完結していないところ。
最終巻といわれる神巻。
どうなるか、楽しみすぎます。
では、また。