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雀鬼
【87】 「本物の教養」 桜井章一 著
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浩哉
2024/11/09

雀鬼と呼ばれて、ある筋の麻雀で無敗を誇ったといわれる伝説の人の教養本です。

この方の作品、Kindle Unlimitedにあったのを数冊読みました。

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なるほど。主張はどれも一貫してるので、偶然最後に読んだこの本をフューチャーします。


〜〜個人的な見どころ〜〜

①裏世界の麻雀

人となりは、ある程度文章から伝わるものですが、実際の育った社会背景の世界になると違います。


作者、麻雀で「代打ち」っていうのをやっていたようです。

代打ちっていうのは、雀荘でメンツが足りない時に代わりに売ってくれる人のことです。

麻雀と言うゲームは、大体4人から3人でやるもので、人数が揃わないとどうしようもないんですね。


なので、雀荘なんかではそんなサービスがあります。

だけれども、裏社会の代打ちっていうのはまた違くて、賭博麻雀。違法賭博の世界の話かと。


本人ではなく、それぞれが連れてきた麻雀の強い人を打たせて勝負!ってやつです。

そんな世界。一体どういう人たちが関わっているのか、どれぐらいの金が動いているのか、その辺は明らかにはなっていないです。当たり前ですね…。


少しだけ、いくらか賭けられていたとか、そういった話はポイントとしてあるんですけれども、全体の動きはわからないです。


それには、作者の別の作品を読まないといけないかもしれません。

とは言えそこまで代打ちに興味はないんですけれども。


肩書きが、代打ちで20年間無敗だった作者。

この本作だけでなく、他に2冊ほど読んだんですけれども。そこでも普段麻雀していて、気になる人がわざと上がらなかったから、こっちも上がらなくて、わざと負けたとか言った話もしてますので、全く無敗ってわけでもなく、無敗だったのはそういった、緊張感のある代打ちで負けなかったってタイプの人だと思われます。


そこを引退し、代打ち稼業を引退して雀荘を作ります。

雀鬼会って名前です。

そこの交流を通じて教養とは何かって事を、主にこの作品では書いてます。

書いてあることと言うのは、他の2冊とは変わらないタイプですね。簡単に言うと苫米地英人さんの本のようなものです。


テーマは変わっていっても、元となる主張は同じといった作品たち。

作者のこういった文体、主張が好きだったら、何冊も買って読んじゃうタイプじゃないでしょうか。

どれか1冊読んでみて、気に入ったらどの本も面白く読めるタイプだと思います。


②自然の感覚

作者が繰り返し主張してるのは、人間も自然の一部という事と、その自然の感覚を研ぎ澄ましていくべきだって言うお話ですね。


すべからく、今の教育っていうのはいろいろ良くないよと。教育の良くない部分に関しましては、特に目新しい事は無いです。そういった批判になるよね。といった感じでしょうか。


なので、注目すべきは、じゃあいかに感覚を磨いていくのか?っていうところかと思われます。


山とか自然に触れて感覚を磨きましょうといったような話なんです。

先ほどの雀鬼会で、実際に海に行って合宿をするそうなんですけれども。その辺の実体験をもとにした、感覚や、直感のお話がやっぱり面白いです。


自然に行かなくても、都会のど真ん中でもその感覚を磨く方法ですとか、ちょっとしたコツなんかを書いていて、これは参考になるなと思いました。


③お金

とにかく学校の教育をほぼ全否定で、これは納得なんですが、後は…。

今、僕自身が切羽詰まっているからそういう部分が気になってしまうのかもしれませんが、彼の経済事情がいまいち見えません。


代打ちをやっていた頃に、特にそんなお金をもらわなかった!ですとか、必要以上にはもらわなかった!とか書いてあるんですけれども、お金はどうしていたか?っていうのがなんか少し気になっちゃいました。


正直、お金の話はあえて触れないんでしょうけれども。

とはいえ、やっぱり今の世の中、作者の主張のように生きるには、やっぱり先立つものが必要なわけです。


やっぱりお腹が空いたりしたら、直感もくそもなくなっちゃいますから。勘を磨こうにも山にも海にも行けないですからね。

視野も当然狭くなりますから。


雀鬼会。これがある程度安定になってるんでしょうけれど。

その辺り気になりますね。

お金に縛られるなんて…。くだらん!

って作者は言うでしょうけれどね。


〜〜まとめ、雑記〜〜

「身銭を切る」という、お気に入りの本があるんですが。

これを体現しまくった先の人だなって印象を受けました。

タレブは、金融関係の仕事もしていて、経済に明るい方です。

ブラック・スワン。

リーマンショックですね。

それを予測してお金をゲットしたりもしたような人です。


生き方としては、身銭を切るってタイトルの作品を書いているのからも明らかなんですが、骨太です。


作者は、この経済の部分を除いた、骨太な生き方のみを純化していったような人です。


自然を何より愛し、ここ数百年の発展を毛嫌いしてる感じがあります。

直感とか、決断とか、とにかく自然に人類が何万年前から備えてるはずのものだから、それを取り戻すだけでいいんや!って感じですね。


いくつか、実用的な考え方も多数あります。

集中するってのは、一点に集中するよりも、全体を見渡す感じ。

力を抜いて、耳を澄ました方が集中しやすい。

っていうようななるほど!って教えが多数あります。

あと、代表的なのは、強さに関する捉え方。

本文↓

 「私がかつて麻雀の裏プロとして活動し、実戦の経験から学んだ結論、それは「強さとは、変化に対応する力だ」ということ」

そう。変化しないとなんですよね。

あと、自然好きらしい作者の面白い主張がこちら↓

「人間は、自分たちが霊長類のトップだとか言って威張っているが、実は自然界の動物たちからはものすごく嫌われていることに気がついていない。その証拠に、人間が海に入ると、その瞬間魚たちはサーっと逃げていくでしょう」


「魚だけじゃない。陸の上の動物だって同じ。「なんだか嫌な奴がやってきた」ということで、本能的に人間を避けているんだ。 人間同士だって、一緒にいたら不快な人っているでしょう」

なるほど、面白い見方だなと。

とにかく、少しも論理的ではないですが、納得的であり、

心の持ちように悩んだら間違いなく読みたくなる作者だなと思いました。


では、また。