一時期、ずっと本屋で主張していた作品。
文庫本になっても主張し続けていました。
で、ついにゲット。
どんな話か、全く見当がつかないまま読みました。
いや、びっくりしました。
恋愛系統は苦手ですが、結婚モノ?も苦手って確認しましたね。
とはいえ、もちろん面白いですよ。
ただ、苦手。
苦手が詰まった本でした。
〜〜個人的な見どころ〜〜
①数少ない共感
最初からどうなるかと思いました。
なんか、ずーっと今の婚活について滔々と書かれてましたので。
ま、確かにわかる気はします。
付き合う、付き合わない、結婚する、しない。
この決断。難しいです。
人を商品というか、そういうもので見てしまう違和感もわかります。
女性はよく言われますが、実は男性にも婚期の問題はありますしね。
そもそもしなきゃならんのか?って項目ですし。
ここらあたり、自由の反動というか、選択肢が多い事の難しさがありますね。
そこが、苦手なこの作品の数少ない共感した部分でした。
②女友達の怖さ
主人公の架の女友達。
これはどうしようもないですね。
子供の集まりのまま、大人になって。
悪意の口だけ達者になって仲間内で盛り上がってる。
女ってこんなもんだって色々誤解されそうな文章で。完璧に今回の事件の黒幕なのに、自分は全く悪いとも責任も感じない幼稚さ。
これは情けない人物だなあと。
人類の特徴として、お話のほとんどは噂話ってのを、確か「サピエンス全史」のどっかに書かれてたと思います。
集団を維持するのに必要だと。
その弊害ですね。小さい仲間内で、その能力を発揮すると、こういうふうになるんだなって感じ。
負の側面を見せつけられました。
③年の功
実は主人公も鈍感で、なかなかです。
主人公が、真実の地元の結婚相談所の女性に、話を聞きに行きます。真実が被害に遭ってると思われるストーカーの心当たりについて。
この女性。なかなかしたたかでした。
主人公も、この時に経緯を全て話して、ストーカーに遭ってないかもしれない警察の話もきっちり話して、この女性にどう思うか聞いたらいいのにって思いました。
きっと、真相に近いところまでは辿りついたのではないでしょうか…。
あと、とある神社の石母田のおばあさん。
真実の悩みを明るく一言でまとめます。
真実の「でも」の反論に答えた一言がこの作品で一番カッコよかったです。
こういったセリフや考えを、語れるのが大人か大人じゃないかの境界線のような気すらしました。
〜〜まとめ、雑記〜〜
個人的には、ほぼ何の共感もできず、辛かったです。
人のちょっとした衝動や感情。
婚活や見合いで相手を選ばないのを、自己愛とか、自分につけてる値段が高いとか。大袈裟に捉えて無駄に考えすぎさせるあの感じ。
ただ、変化が怖くて選びきれないだけだと思うんですよね。
で、それ以外の人のちょっとした衝動や感情。それを細かく一つ一つそこまで悪意で膨らますのか?って感じで。
そりゃ一つ一つとりあげりゃ、そんな分析も出来るでしょうけど。
結局、それが何の役に立つんだろう?って思いました。人の行動を縛るだけな気もするんですよね。
所々、経験豊かな女性たちが、ズバッと言ってるとおり、そーゆーのをウダウダ考えられるのが若さゆえの特権かもですが。
多分、個人的な辛さもあります。
登場人物たちが、比較的金銭的に余裕がある人たちなのが、個人的に辛いんですよね。
余裕のある人々がぬるい事で悩んでるわ。って思ってしまうところがちらほら。
逆に、余裕がある人たちですら、そんな事で悩んで結婚が遅れるなら、そりゃ少子化待ったなしだし、大袈裟じゃなく、日本滅びそう。って思ったりしました。
で。この作品を読んで、昔によんだ、恋愛工学関係の本を思い出します。あれは結局、男性側の対女性の論理ではありますが、
簡単に書くと、恋愛工学は、
①声かける
②ホテル誘う
③ダメなら次行く
これだけです。
それぞれのパートごとにテクニックやコツ、心構えがある感じでした。
基本的に①は難しいのが知られてますので、いろんな方法をいろんな人が考えたり実践したりしてますね。大体のその手の本、(あんま読んだ事ないですが)①のやり方について書かれてると思います。
でも、大切なのは③です。
これは最近流行ってるレジリエンスも含めての事ですよね。①で、コテンパンに失敗しても、立ち直って次行く力。
決して相手に迷惑かけず、去っていく力。
これが疎かだと、相手が大迷惑だし、人によっちゃ恐怖させちゃうし、何より自分のためになりませんよね。
とはいえ、恋愛の③はシンプルですよね。
人によっては意外と難しいようですが。
ただ、これが仲間、仕事、家庭となると、本当に判断が難しい。
③が難しいので、自然と①に足踏みしてしまいますよね。
その辺り、人との距離感。上手く掴むのができればなぁです。
来るもの拒まず、去るもの追わず。
無理ならそっと距離を置く。
この辺り、お互いしっかり察する文化が完成されれば…。
まあ、難しいですわな。
難しいといえば、一位の本。
買うのも給料日前で苦しい。
そんな時は、自分が読んだ中で一位作品について書こうかと思います。
では。また。