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金融のお話
【2】「トップレフト 都銀vs米国投資銀行」黒木亮 著
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浩哉
2024/01/17

今回はXである方が勧めてたので読んだ本になります。

このような事、多々あります。


読みきって「面白かったです!!」ってリプを送ろうか迷ってるうちに、ポストを見失ったりします。そんな時に限って「いいね」し忘れてたりしますので、探せないってゆーね。

なるべく覚えておいて、この方が読了したこの本を読みました!って出来るように頑張ります。


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わりとハードロックなお話でした。

金融のお話です。

ウォール街ってやつですね。

お金を貸付け、貸付け、貸付け。

手数料を分捕り、分捕り、って感じです。


   〜〜個人的な見どころ〜〜

 ①北方謙三作品のような硬派さ。

日本の銀行で働いてた主人公の龍花。

銀行特有の閉塞感に全く合わず、恨みすら持って日本国籍を捨てイギリス国籍を持ち、アメリカの投資銀行で働きます。

機会を伺って、自分がいた銀行に復讐しようとします。

その働きっぷりや、復讐心、私生活。

ハードボイルドです。


そりゃ龍花、日本の銀行に合わんわな。って思いました。

ほんと、龍花の描写に関しては北方三国志に武将として出てきそうなほど硬派でした。


 ②日本の銀行の権力争い。

日本と海外の差って事で。海外の投資銀行がどんどん取引をまとめている間、日本の銀行は上の人の許可がおりず、取引がまとまりません。

なぜ許可がおりないか?上司が人事異動を控えており、何か問題があれば出世できないからです。

まさに日本のお家芸。

変わらんな〜ってイメージです。

今はどうなんでしょうね。

企業のそういうの、あまり聞きませんが…。

銀行や官僚はありそうなイメージ。(なんかすみません。あくまでイメージです)


 ③ラストの切なさ。

これ。多分作品を読んだ方はみな思うでしょうが、ラスト。

ある人がとにかく可哀想です。

ある人に幸あれって、心から思いました。


    〜〜まとめ、雑記〜〜

金融というルールの中で、2つの組織の2人の人間を中心に書かれてます。

会社中心と、個人中心。

そのせめぎ合いと龍花の狂気と、日本の会社に囚われてる今西の苦悩。

そのやりとりが面白いです。


この手の小説は、銀行間の取引の内容や駆け引きについて、「何書いてるのかわからん!」ってのがあると思います。

この作品も、その点についてはしっかり意味がわかりません!

でも大丈夫です。取引してる金融機関の人々のリアクションを見れば、何となく雰囲気がわかるようになっていますので。

もちろん、わかる人はより楽しめるかもです。


最初の方は人々のキャラとか読めないので、少し苦労しますが途中から一気に読んじゃいます。


外資っていっても単に金貸してるだけやん。

なんでそんなに給料高いん?

って思ってましたが、登場人物たちの、世界各国をはいずり回ってる様子を見てると、少し納得しました。

ま、それにしても高いとは思いますが。



  以下、ネタバレ注意。


最後、飛行機事故で龍花がお亡くなりになるんです。

復讐が成らず全てを失って、空っぽになり、金融のルール、資本主義の最先端から降りようってなった途端。


寂しいなと。読んだ方はきっと、これからの龍花を見てみたいと思う人が多いと思います。

僕はそう思いました。

全く空っぽからの再生。書いて欲しかったなと。

そうでないと、ずっと待ってた道子がかわいそ過ぎます!


まあ、それがこの作品の面白いところなのかもですが。


では。また土曜日に。