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息吹 完!!
【25】「息吹」 テッド・チャン作
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浩哉
2024/04/06

やっと終章です。

この3日。やっと少し時間が取れたので、一気に読むことができました。


まだまだ作品の余韻が抜けきれません。

本当に一作一作が面白いですから。

とはいえ、一気に読み終えたので、余韻のまま一気に書いていこうと思います。


…。なんか、画像が上手く残せないので。文字のみでいってやります。

〜〜個人的な見どころ〜〜


①「偽りのない事実、偽りのない気持ち」

村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」のような形で、2つの世界を行ったり来たりするお話かなと思ってたら、最後にきっちり1つにつながっていて、びっくりしました。


短編集って、なんつーか。

話は明らかに続くけれど、物語としては終わるってパターンが多いですね。

伏線の回収率が高いとゆーんでしょーか。


さて。テクノロジーの発達で、人生の全てが明らかに記録されて、簡単に引き出せるとゆー世の中になったお話です。

読めば読むほど、おっそろしーお話だったなと。


僕は曖昧な記憶は曖昧にしておいた方が良いと思いますね。マンデラ効果とかの問題もありますが、その曖昧さが許されなくなったら人はどうなるのか。

この作品でその怖さを思い知りました。


個人的に自分は記憶力が良い方だと思っているんだけれども、全くそんなことなかったりしたらちょっと凹みますよね…。


②大いなる沈黙

「フェルミのパラドックス」

この言葉をウィキペディアで調べてほしいです。

面白いので。


宇宙人は必ずいるという前提で(この前提がもう面白いんですが)、なぜ宇宙人を見つけられないんだ?っていう過程を、ほんとにたくさん理論立てて説明してるのが面白い。


三体の宇宙人観そのままの仮定もあります。


物語は、地球人は必死で宇宙人を探してるが、今の限られたテクノロジーで探し当てられるんか?マジで?

我々も知的水準、実は高いぞ?

もっと自分の星。足元を見ろよ。

ってオウムが思っているってお話…。だったかな?

正直、フェルミのパラドックスが面白くてしっかり覚えてないかも。 




③オムファロス

オムファロスっていうのは、日本語では「へそ」っていう意味のようです。へそっていうのは母親から産まれたって証だと。…。そんなふうになかなか考えないですが。


確かに言われてみりゃ、へその緒が母親から切り離されて生まれますからね。逆にいうと、へそがない人間がいるとすれば、それは最初の人間。つまり神が作った人間といった考えになるわけです。


この世界では、そういうへそのない人間のミイラがあったり、その他に年輪のない木っていうのが存在します。


その発見も、すなわち神様が作った最初のモノって形になって重宝されています。卵が先か鶏が先かって言葉がありますが、明らかにこっちが先だよ!っていうの表している世界の話。


で。そんな発見がある世界だから、主人公は神へのお祈りを欠かせません。おそらくキリスト教っぽいんですけれども。

ただ、ある天体学の発見が神の存在を脅かします。


ちなみに言うと、これおそらく不確定性原理とかの発見と同じパターンです。

確かこの原理が神の存在が否定されたとか、絶対的な存在はないっていうのを暴かれた発見だったと思います。


それと似通ったようなものだと思います。


ただ科学に関してイマイチ詳しくないので、今回出てくるエーテルがどうのこうの構成がどうのこうのって言う話は正直ついてはいけませんが、神と科学の関係の再構築といった形のテーマとしては面白いと思います。


結局、哲学=科学=神の証明ってのを再考するお話なんだなと。 


④不安は自由のめまい

この短編集の最後の作品。量子のもつれ。量子スリット、その辺を題材にしています。


ある人生の分岐点に対して、もう一つの未来を少しの間は追う事ができ、なんなら連絡も取り合えるという装置の説明があります。わりと初めは混乱しました。


人の選択は無限なので、色々キリがないように思うんですが、その辺りは上手く表現されています。


つまり。自分の人生。あの時こうしといたらどうなったか?ってのを見ることができるテクノロジーがある世界のお話です。


やっぱり見る!!ってのは強烈です。

仕事や恋人と別れた世界線、別れなかった世界線の自分は幸せか?不幸か?ってのをお互いメールでやりとりもできるわけです。期限というか、容量に限りはあるようですが。


ただ、読み終えた今こそ冷静に語れますが、そんなもん見たところで得られるものって。

後悔、嫉妬、優越感。

くらいなんですよね。

3大あまり抱きすぎない方がよい感情ですよね。


ま、確かに科学とか、実験とか、有用な使い方もあるとは思います。


それでもそんな事に情熱をかけず、他人のそんなどうでもよい感情を良いように利用しまくり、金儲けを企むのが人間の人間たるゆえん。

ええ。そんな人間がしっかり登場します。

なんか、ある意味、愛おしさすら感じられます。

テクノロジーが凄すぎますが、人間が詰まった作品な気がしました。


〜〜まとめ、雑記〜〜


作者。巻末に作品ノートを書かれています。

こういう状況で、こういう気持ちで作品を仕上げたっていう事が書かれています。

これも本当に面白いです。


幸い、時間が取れない状況が続いてて、この短編集も一作ずつ面白さをメモして書いていってました。

そのメモと作者のノートを読み比べると、感慨深い。

やっぱりそうやったんですねー?

とか、

あ、そういうテーマがあったんですねー。見落としてしまってましたわー。

とか、

まるで作者と会話してるような錯覚に陥いる事ができました。

面白かったです。


さて。フェルミのパラドックスのWikipedia。

少し抜粋しました。↓


・宇宙人は存在し、すでに地球に到達しているが検出されない。

到達した宇宙人は発見されても全て、各国政府により公表が差し控えられており、調査を試みる者には妨害が加えられる(メン・イン・ブラック)


到達した宇宙人は全て、潜伏、又は地球の生命に擬態して正体を隠している。


到達した宇宙人は全て、ケイ素生物・意識生命体など、地球人が「宇宙人」として認識できない形態の生命である。


別次元(五次元等)に存在するため、地球人が認識出来ない。


恒星間探査機(英語版)やブレイスウェル・プローブ(英語版)などによる通信が到達しているが、地球人側の技術の低さのためにそれを認識できていない。


・宇宙人は存在し、過去に地球に到達していたが、最近は到達していない。


既に来訪しており、遺跡などにその痕跡が残されている。詳細は古代宇宙飛行士説を参照。


既に来訪しており、我々人類(もしくは地球上の他の生物)はその子孫である。


・宇宙人は存在するが、なんらかの制限又はある意図のためにまだ地球にやってきていない。


多くの宇宙人は穏健で引っ込み思案な知的生命であるため、宇宙に進出しない。


たとえ宇宙へ進出する気概と技術を持った文明であったとしても、宇宙開発の過程でケスラー・シンドロームのような事態が発生すれば、「進出したくても物理的に進出できない」状況に追い込まれる可能性がある。


・異星人と接触を試みる、もしくは宇宙に向けて自身の存在を発信することは文明の破滅に繋がるためしない。

これは黒暗森林理論と呼ばれる。(三体のやつです!)ひとつの文明がもうひとつの文明が存在することを探知したが、相手側はこちらの存在を知らないとき、

宇宙中の文明と文明は、文化的な違いと非常に遠い距離に隔てられているために、(相手側が善意の文明だろうが悪意の文明だろうが)お互いに理解することも信頼することもできない(猜疑連鎖)

どんな文明も突然技術が飛躍的に向上する可能性があるので、うかつにコミュニケーションをとれば(現段階で自分より技術が劣っていたとしても)こちらを探しあてられる可能性がある。また放っておいても探しあてられる可能性がある

これらの定理により、一つの文明が他の文明の存在を知った後ではコミュニケーションも沈黙も役に立たない。そのためもし宇宙の中に他の文明を見つけたら、生存のための最善策はすぐに相手を消滅させることになる。またこのことにより自分の存在や相手からみた方角、宇宙での座標などの情報を曝すことはできない。よって今までに地球外生命体を発見できていないのは宇宙に存在する文明たちが攻撃の目標にならないように自分の存在を消しているからである。


・単純に宇宙人側も地球及び地球人の存在を検出できていない為、地球に対する物理的または通信によるアプローチを試みていないだけである可能性(いわゆるSETIのパラドックス)。


・宇宙人は存在するが、恒星間空間に進出し地球にたどり着くための進化・技術発展における難関(グレート・フィルター(英語版))を突破できない。

生命が発生し、知的生命として発展し、宇宙航行種族になる確率が非常に低い。地球の生命は単細胞生物同士が偶然共生したことで多細胞生物へと飛躍的に進化した歴史を持つが(ミトコンドリア#起源)、他の惑星での原始的な生命がこの最初の難関を突破できるかは未知数である。

前述のように、高度な技術文明があったとしても、地球人の観測圏までたどりつくのは技術的に非常に難しい。


などなど。

色々考えますね。特に検出されない説の数々は面白くて説得力があって好きです。


では、また。