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夢を叶えしバッタ博士
【40】「バッタを倒しにアフリカへ」 前野ウルド浩太郎 著
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浩哉
2024/05/29

バッタの研究者のフィールドワークのお話。


作者のノリが、「発酵文化人類学」を書かれた小倉ヒラクさんと同じ匂いがします。

やっぱりある程度、いききった研究家で表現力が豊かな人は、本を出す時こういったノリになるのでしょうか?


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情熱が伝わるのは良いのですが、少しうざい位な伝わり方。

でも面白いという。


〜〜個人的な見どころ〜〜

①アフリカ!!

前回に引き続き、アフリカが舞台。

砂漠の国っぽいですが。


研究所や、そこで働く人たち。

バッタの取ってきてもらうために、手伝ってもらった子供たち。

人にとってのヤギの価値。


オアシスの実情、お金の大切さ、交渉の仕方、etc…。いろいろ学ぶところは大きいです。


現地の研究所で働く、アフリカの人たちの魂みたいなのも確かに感じられてて面白いです。


それとともに感慨深かったのが、アフリカのその子供たちにバッタを見つけたらいくらかあげるって言う取引を持ちかけたところ、すごい騒ぎになるっていうのがとにかく面白いです。

大人たちが一切見つけられないから、子供に頼む。すると、あれだけ見つからなかったバッタが、めちゃくちゃ見つかるっていうのも興味深いです。


またそのバッタの保存状態も、作者側は生きて持ってきて欲しかったのが、そのことを言わなかったために、雑に殺されたまま渡されるって言う描写がなんか面白いなと思いました。


②学者、研究者とは?

論文の書き方。お金のもらい方。


研究者はやはり研究だけしたいので、その研究にお金を払ってくれる所を見つける事の大切さについて語ります。


作者はやはり学者で、のんきにバッタ相手に遊んでるだけかというと、そうでもなくて、しっかりと研究者のその助成金の申請チャンスがあれば申請しています。

その辺のやる事は全てやると言った大切さ思い知りました。とにかくこの人はなんやかんや、行動力は半端ないです。


なんかこちらとしても、やっぱりいろいろ行動が起こさないとなっていうのは、身に染みてわかります。


あと、やっぱり論文って大事なんだなと。

ひたすら我の存在=論文=バッタみたいな感じで書かれており、常に研究者としての立場をいっときも忘れないその姿勢は尊敬に値するなと。

あと、論文の書き方、考え方、実験の仕方など、いくつかヒントになるとゆーか、こういう考え方で論文を書くのかってのが垣間見えて、楽しいです。


③バッタの生態

バッタ。正直あそこまで飛べる生き物だったとは。

子供の頃に見たバッタってのは、飛ぶというよりは、ジャンプするって感じですよね。

それこそめっちゃ飛ぶといっても、まぁおそらく走り幅跳びの世界記録位の距離なんじゃないでしょうか?


ところが読んでると、面白い位に飛ぶみたいですね。それこそ、スタミナのない鳥レベル位には移動距離がありそうです。


この本の嬉しいところは写真がたくさんあるところ。

バッタがやっぱり多いんですけれども、アフリカの独特な変な虫であったり、サソリであったり、ヤギ売り場であったり、オアシスであったり現地の子供たちであったり。


これだけでも価値はあると思います。


同じバッタの種類でも、2種類があって孤独相と群生相。群生相が、アフリカにえらい被害をもたらすバッタになります。

この2種類のバッタ。

別の種類のバッタってわけではなくて、同じ種類だそうです。

で、多分、いる場所によって孤独相が群生相になったりするようです。

群れたらタチが悪くなるのは人間だけじゃないって事ですかね。

ある意味教訓ですね。


 〜〜まとめ、雑記〜〜

この本、色々なリアルを学べます。


学者になるには、頭のネジが何本か飛んでないといけないのかな?

って思う描写もありますが。


作者の根本は、とにかく失敗を恐れない、誠実に対応するってのを徹底してる気がします。

あと、多分、失敗の見せ方が上手い気がします。


失敗の仕方にもいくつか種類があります。

笑える失敗と笑えない失敗。

この差はなんなのか、これがわかった気がします。

やっぱり本人が何か後ろめたく感じている行動による失敗は、他人にもやはり話せないですよね。

まぁ例えば結婚していると言うのに、別のパートナーというか浮気しようとした失敗なんかなかなか人には言えない気がします。


後は不正とわかっていて、行動を起こして、失敗なんかも最後の最後まで言えないんだろうなと思います。それこそ大谷翔平選手の通訳の方みたいに。


ただそうでない失敗。例えばある会社にどうしても夢で入りたくて、面接受けたけれど、ダメだったとか、そういった失敗は恥ずかしささえクリアできれば、笑える失敗談にはできる気がします。


ただ後ろめたさとか、不正とかの基準、やはり人によって違いはありますよね。

ドン引きする失敗談を話する人がたまにいますが、そういう人はそこのあたりが割とバグってるんでしょうね。


なので、今回のこの本の読みどころとしましては、失敗の仕方と、正しい夢への向かい方。

少し違うかもしれないんですけれども、夢や目標を他の人に話しまくる大切さですね。夢を話したからって勝手に他人が協力してくれるよう期待するのはもちろんだめなんですけれども、夢を話して、紳士に向き合って、夢に心死に向き合っていけば助けてくれる人も多いよってところですかね。


この続編が出てるようなんですけれども、ちょっと読んでみたいなと思いました。

ではまた。